TW2シルバーレイン卒業生の駿河・諌早のブログ。
聞き覚え無い人はすぐに回れ右
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「諌早」
「んー?」
画面から視線を外さずに、妹が答える。
倖也はそれに構わず、言葉を続けるた。
「んー?」
画面から視線を外さずに、妹が答える。
倖也はそれに構わず、言葉を続けるた。
「明日、どこいくんだ?」
「・・・・・・・・」
だいたい、いつもと同じ質問。
いつもならこれで、妹はこちらを向かずに行き先だけを告げる。
そういえば前回は、「ちょっと宇宙開発妨害の阻止に」とか言っていた。
だが、今回は少し、いや、だいぶいつもと違った。
妹はパッとこちらを振り返ると、にっと笑って見せたのだ。
「最終決戦、だよ!」
「・・・は?」
いろいろと予想外すぎて、倖也は思わず間抜けな声をあげる。
そんな兄を置いてけぼりに、妹はすっく、と立ち上がると、
まっすぐに倖也の目を見た。
自分の瞳よりずっと濃い紫には、堅い決意と自信が満ちているように見えた。
「これで、最後なの。あたしたちの、最後の戦いなの」
「・・・・・・」
「あいつに勝てば、もう世界は安心なんだって!明日、全部の決着をつけるんだ」
「・・・そうか」
「うん!だから、倖兄も応援しててね?あたし、みんなと一緒に頑張るから!」
そう言って、妹は満面の笑みを浮かべて見せた。
一般家庭では絶対にありえない単語のオンパレード。
銀誓館に妹が入学してからは、それもいつしか当たり前になってしまった。
ぽんぽん、と優しく頭を撫でてやれば、自分より10も下の妹は、嬉しそうに目を細める。
「あたしもう寝るね。明日は万全の体調で臨まないとなんで!」
「あぁ、そうだな。・・・朝飯はなにがいい?」
「ベーコンエッグとオニオンスープ!あ、ベーコンは厚切りでね!」
「はいはい」
「あとね・・・夕飯は、倖兄のからあげがいいな」
「え?」
「お夕飯は、からあげが、いいです。・・・絶対だよ」
「・・・わかった。作っとく」
「うん!楽しみにしてんね!そんじゃおやすみー」
「おー」
パタン、と扉が閉まる。
小さくなっていく足音を聞きながら、倖也は椅子に深く座り直した。
はぁぁぁぁ、と深く長い溜息をつく。
「・・・・・・遠まわしすぎんだよ」
わざわざ夕飯の指定までした理由は、たぶん1つ。
―――――帰ってくるからね
いつもは言わないこの言葉。
たぶん、彼女自身も云い辛かったのだろう。
敵がどんな奴で、あいつらが何と戦っているのかはさっぱりわからないが、
最終決戦と名が付くほどの戦いなのだ。恐らく相当な強敵なのだろう。
それこそ、いつも自軍の勝利を確信している妹が、自の死も覚悟するほどの。
「(あーヤバイ、泣きそう)」
崩壊しそうな涙腺を押さえるように片手で顔を覆う。
明日、どんな顔で俺はあいつを送りだせばいいのだろか。
明日一日、俺はどんな思いで妹の帰りを待たなければならないのだろうか。
「・・・・・・頼むから、帰って来てくれよ」
君の無傷の帰還を祈る。
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HN:
駿河・諌早
年齢:
31
HP:
性別:
女性
誕生日:
1993/11/20
職業:
フリッカースペード
趣味:
音楽鑑賞・楽しいこと全般
自己紹介:
◇エブリデイハイテンションぶっ飛びガール、基本装備はテンション高く。◇みんな大好き、愛してる。だからあたしの傍にいて欲しい。いなくならないで。◇面倒見のいい兄貴・姉御気質の人にとくによく懐く。◇例えるならよく懐くゴールデン・レトリバー。◇そんな諌早さんを、これからもよろしくお願いします。
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